- 屋台とは?
商売の原点であり、洋の東西南北を問わず、世界中に存在している。 - 屋台の定義とは?
物を売る台に屋根を付けたもので、組立てや収納が容易であり、移動が可能な店のこと。 - 日本の屋台の起源とは?
江戸時代の享保年間(1716~1736)に出現し、天明(1781~1789)以後に盛んになった。 - 江戸時代の飲食の屋台はどんな形式?
肩などに担いで移動しながら商う「そば」に代表される「振り売り」形式の屋台と、仮設店舗を組立てて移動せずに商う「すし」に代表される「立ち売り」形式の屋台の二通りがあり、いずれも車輪がついていない「据え置き型」で」あった。 - 現在の屋台の起源は?
昭和20年(1945)の第二次世界大戦後の闇市などで、戦争引揚者や戦争未亡人や戦災で店舗を失った人たちが生活の為に始めたもの。 - 屋台はなぜ無くなったの?
- 食品衛生法(昭和23年1月施行)・消防法(昭和23年8月施行)・道路法(昭和27年12月施行)・道路交通法(昭和35年12月施行)などの法律によって規制された。
- 昭和39年(1964)に開催された戦後初の国際的行事であるオリンピックを契機に、戦後色を残したものや非衛生的なものを一掃しようとして全国一斉に排除された。
- 博多(福岡)などに屋台が残っているのはなぜ?
規制を受けた時に、組合などを組織して政治的に粘り強く活動し、既得権益(生活権)として残すことができた。 - その博多の屋台の数が減っているのはなぜ?
- 現在約180軒の屋台が営業している博多だが、平成6年(1994)に警察が「現営業者一代限り」の方針を決定し、新規参入が出来なくなった。
- 営業者の高年齢化によって、屋台の宿命である移動、組立て、収納、夜間営業の四点の「しんどさ」の克服が難しくなり年間10~20軒ほど廃業している。
- 博多の屋台にはどんな規制があるの?
- 営業場所と大きさ(3.0×2.5m)が厳密に決められており、1cmたりともズレたりはみ出してはいけない。
- 上下水道などの設備を持たない屋台は法律上の扱いは露店になるので、メニューにはなまものや冷たいものは出せない。客に出す直前に熱処理した温かいものに限られる。
- 営業時間は夕方の六時から翌朝の六時までの夜間に限られる。
- 昼間は収納した屋台を営業場所に置いておくことはできない。(保管場所に移動)
- 博多の屋台の営業日数は?
奥行きが狭い(2.5m)博多の屋台の客席は、客の背中が暖簾に着くほどの広さしか確保できず、風を伴う雨には弱い。
したがって雨の日は休む屋台が多い。九州には梅雨や台風があり、さらに蒸し暑い真夏日が多く、温かいメニューしか出せない屋台には暑さは返って大敵であり、真夏は開店休業状態になる。年間の平均営業日数は240日程度しか取れない。屋台は冬の風物詩であり、少しくらい寒い方が合っている。 - 博多以外に正式に許可を取っている屋台のある場所は?
小倉(福岡)・呉(広島)・仙台(宮城)などごくわずか。ちなみにプロ野球のキャンプで有名になった高知の屋台は27軒あるそうだがいずれも不許可営業とのこと。 - 最近テレビで車を改造した屋台を見かけるが正式な許可を取っているの?
- 警察は全国一律に道路上(歩、車道の別なく)での恒常的な営業行為は禁止している。例外は伝統的なお祭りや地域を挙げてのイベントなどの際に一週間程度の臨時営業の許可は出る。
- 保健所は地域の条例によって多少の違いはあるが、原則として設備が完備されていれば臨時の営業許可は出す。ただし、同一場所での営業許可は一週間程度であり、常に移動を宿命付けられている。また、営業品目や規制がかなり厳しい。
したがって、テレビなどで紹介されている屋台は完全な合法とは言い難く、かなり拡大解釈をして営業していると思われる。
- 博多の屋台の制作費用はいくら掛かるの?
毎日の移動、組立て、収納、移動の繰り返しと、500キロ程の重量を支える頑丈さは日曜大工程度の技術では制作不能である。
専門家に制作してもらう場合、標準的なラーメン屋台で二百五十万円の制作費用が掛かり、それ以外に食器やコンロや流し台の費用がプラスされる。 - 自動車を改造した屋台の制作費用はいくら掛かるの?
中古車と新車では値段が変わるが、百五十万円から二百万円くらいの制作費用が掛かり、それ以外に食器やコンロや流し台などの費用がプラスされる。